ABC野球解説陣
2007年11月27日更新
野球放送の視聴率低下が問題になっています。
その原因として嗜好の広がりから昔の様に視聴率が取れなくなってしまったからだと言われています。
果たしてそうでしょうか?
根本は全く違う様な気がします。
読売の数々の我田引水の政策失敗から、巨人が弱くなってしまい、関東地域を中心に視聴率が下がっただけなのでは無いでしょうか。
現実に関西では決して視聴率は下がってはいませんし、他の地元球団を持つ、名古屋、福岡ではあまり下がっていない様な気がするのですが…
僕自身は、自称穏健派の阪神ファンなのですが、昔はチームが勝つ事だけが楽しみでした。
元々、プロ野球は好きではなかったのです。それに地方出身者にありがちな東京指向。
子供時代に見たTVアニメ「巨人の星」の影響で巨人の名前ぐらいは知っていましたが、空白の一日事件で不正を行う巨人が嫌いになりました。
神戸に出てきた翌年の1985年、打線の活躍により久々の快進撃から日本一をつかんだ事で阪神ファンに転じました。
でも、1992年に疑惑のホームランでリーグ優勝を逃して以来、ほぼ10年阪神タイガースはどん底に低迷しました。
巨人ファンならたぶんここらで見切りをつけるところなのでしょう。
しかし、そこが阪神ファン。
今年もダメかと思いつつも応援してしまいます。
そんなチームが最低だった時期、聞いていたラジオの解説のお陰で僕は野球の本当の面白さを教わったと思います。
最初の頃は他局のナイター放送を聞いていたのですが、負けると解説まで面白くなくて、聞き比べている内にいつの間にか大阪朝日放送に鞍替えしていました。
大阪朝日放送の珠玉の解説陣たち。
福本豊、有田修三、真弓明信、湯舟敏郎、吉田義男等そうそうたる面々が解説しています。
勝てない時期、ある程度仕方の無い事だったのかも知れませんが、放送局の方針としては阪神応援で視聴率を稼ぎたい。ただ「打ちました、勝ちました。」では済ませられない。
そんな中、例え負けても、ひとつひとつのプレーをプレーヤーの立場から解説してくれた事で野球の新しい魅力を教えてもらいました。
おかげ様で、試合では流れが大切な事。その流れを自チームに呼び込むプレーがある事を教わりました。
最近は、野球の試合を見ていて、何となくですが「あっ!ここで試合が変わるぞ」
と試合の流れが分かる様にもなってきました。
中でも、福本豊さんは最高です。
実況アナウンサーが「ファインプレー!!」と叫んでいても、ファインプレーをした野手のスタートが遅いと「ありぁ、凡プレーやね。」とキッパリ。
「優秀なプレーヤーは難しい打球でも、傍目には、平凡にしか見えないプレーにしてしまうもんや。」
と実況アナウンサーを教育してしまいます。
本当にそうだと思います。
今年、阪神の関本選手が無失策記録を作りましたが、ただただボールが追えなかっただけの様に見えるのは僕だけなのでしょうか。
(関本ファンには申し訳ないけど…)
ボールに対する反応は藤本選手の方が安心してみていられました。
最も、肝心なところでエラーをしていましたから… 差し引きゼロかな?
とにかく多くの巨人ファンにありがちなのが、勝たなければ面白くないというものです。
(最近、阪神ファンにもこうした輩が多い・・・)
どんな酷い勝ち方でもいいから勝てば良い。
でも、そろそろそんなファンは本当にスポーツが好きなんじゃなくて、水戸黄門と一緒で勝つ事に安心感を感じているだけだと思います。
勝って欲しいのはやまやまだけれど、勝ちも負けもあってのスポーツです。
今年のクライマックスシリーズ 巨人対中日の最終戦。
負けそうになった巨人を見捨ててファンが帰る光景に、ある番組で徳光アナに刺客として送られた筈の阪神ファンの千秋が「ファンが見捨ててどうすんの?」と言っていたのが印象的でした。
確かに負け試合を最後まで見続けるのは確かに嫌なものです。でも本当のファンってそんなものじゃないと思うけど・・・
負けても負けても応援する事で、選手に力を与えるのもファンの力なのですから。